正社員と非正規社員との格差をなくそうというのが同一労働同一賃金という法改正です。非正規社員と言い方をなくしていこうという方向に向かっています。
表向きは正社員と非正規社員との収入格差をなくす事ですが、表があれば裏がありますから、本当の狙いは何なのか?探っていきたいと思います。
日本の経済はどうなのか?これからどうなるのか?
少子化の問題や年金問題など日本の将来を危惧している人は多いです。年金と少子化の問題は繋がっていますが。。
若い労働力が高齢者を経済的に支えていくのが日本の年金の仕組みな訳ですが、それが少子化によってほぼ崩壊しています。
今年2020年はオリンピック開催の年です。今年に限って言えば開催国ですから外国人流入によって経済は潤う事が予想出来ます。
問題は2021年以降です。日本は非常に経済的に冷え込むことが予想されています。専門家の間でも厳しい予測がされていることはご存知でしょう。
このままいくと日本の将来は不安視されている現状があります。働いている人達が潤ってもらわないと日本の経済は回っていかない。そういった経済不振に対しての応急処置という考えがあります。
経済の冷え込みを少しでも抑えたいのか、活性化を期待しているのかはわかりませんが、実際に適用されてみないと分からないのが現状です。
同一労働同一賃金がどのように浸透していくかが鍵
法律で決まるわけですから適用されれば守らなければいけません。しかし、現状罰則規定はありませんから全ての派遣会社が行うのは無理があるかもしれません。
正社員と非正規社員では待遇面で大きな差があります。これは非正規社員は正社員よりも能力があっても正社員よりも収入が高くなることはありません。それが日本では当たり前でした。
だからこそ、みんな正社員になりたがるわけです。しかし、高度成長時代の法律でいくのはさすがに無理があるのであらゆるところで調整する必要がありそうです。
しかし、派遣社員やパート、アルバイトに社員並みの給料を払うとなると負担するのは派遣先の会社か、それが出来なければ派遣会社が負担するしかありません。
会社によっては数千人規模の非正規社員が働いていますからそれを一気に社員並みの待遇を与えるとなると大きな負担になるのは間違いありません。
派遣会社と派遣先の会社が交渉で決裂してしまうところが続出する可能性もありますから、その場合、多くの派遣先を失うことになりますから派遣会社の倒産が増える事も懸念されます。
ただし、この同一労働同一賃金という制度は正社員と非正規社員の賃金格差をなくそうというのが狙いなので低い方に合わせていくという方向に進んでいくと考えられます。
人件費というのは企業にとっては一番負担になる部分ですので高い方に合わせていくのは無理です。利益が多くて内部留保が沢山ある会社なら可能かもしれませんが、赤字と黒字の微妙なラインにある会社は絶対出来ませんので低い方に合わせていくというのがほとんどでしょうね。
非正規雇用の方に合わせた場合、社員でいるメリットがなくなってしまいますので、適用されてからどのようになっていくかは未知数です。
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やりようによっては多くの正社員が辞めていく可能性もあります。低い方に合わせるという事はほとんどの会社が非正規雇用の給料に寄せていく事になるので正社員の給料は大きく下がるでしょう。
会社が法律を守っていく事を前提とすれば正社員を非正規雇用の給料に合わせるしかないです。理由はそんなに内部留保が多い資金力のある会社はないでしょう。
ほとんどが中小零細企業ですからね。少しの黒字経営を続けてる会社やボーダーラインにいる会社は今回の法改正は悩みどころではないでしょうか。
一部の会社では正社員の給料が非正規社員よりも安い場合もあるのでこの場合、正社員の給料は上がる事になります。
消費税が10%に上がった事で冷え込みが続く日本経済
消費税が上がる前から良くなかったのに更に経済を悪化させることになったのが消費税増税です。
悪化の一途をたどる日本経済を好転させようと捻りに捻った苦肉の策にも思えなくない。
消費税が10%に増税された時に大企業の税金が増税された2%分そっくり減税されていたことで大きく非難されたわけです。
国民を苦しめている消費税増税が企業の減税に充てられていたのですから当然といえば当然です。
そういった批判もあるなかで、しっかりと企業も出すところは出しているイメージを付けたいのでしょう。
大手企業だけ利益を出しても日本経済は少しも良くなりません。国民の99%は中小零細企業で働いています。つまり、小さな会社で働く人達が給料が上がって消費が増えないと日本経済は良くならないです。
大企業の減税が消費税増税の理由という事が明らかになりましたから、国民の意識を変えたかったのかもしれません。それには企業側も痛み分けという風に持っていく必要があります。これが同一労働同一賃金であったとも考えられます。
つまり、イメージ回復の為に今回の法改正が行われたと言えるかもしれません。
いずれにしても今後の日本経済は明るい材料が非常に少ないですから、唯一オリンピック開催が経済が潤うわけですが、それも今年だけです。オリンピックを過ぎれたあと今よりも厳しい経済状況になることを指摘する専門家は多いです。
同一労働同一賃金はその冷え込む日本経済に歯止めをかけ景気回復を視野に入れた施策でもあります。
この法律の改正はほとんどの企業が給料を低い方に合わせるのか正社員と非正規社員とのちょうど中間辺りに寄せるのかの2拓を選ぶ可能性があります。
実際に適用されなければわかりませんが、正社員の旨味が消えて非正規の給料が上がるという形で落ち着く可能性が高いでしょう。
この同一労働同一賃金が経済を活性化させるのに一役買うかといえば弱いと思いますけどね。
正社員と非正規社員との収入格差をなくす法律なので働く人達の収入を底上げするものではないからです。格差がなくなるだけですので一方が下がって一方が上がるだけです。あまり経済には影響はなさそうですけどね。
ただ、今まで時給が上がらなかった派遣社員が給料が上がるのでモチベーションにも繋がり、インセンティブがもらえる人も今後増えるかもしれません。
一方、正社員のあり方や考え方が大きく変わる可能性があるでしょう。同じ会社で同じ仕事をしているのに社員と派遣というくくりだけで大きく待遇が違うのはそもそもおかしいですからね。
日本以外の先進国ではこんなに格差があるところはありません。日本も他の先進国に寄せていく方向に向かうのかも知れません。