ファミリーマートの大規模リストラからみる終身雇用制の崩壊

2019年11月にファミリーマートで働くの40歳以上の社員を対象に800人の早期退職者を募集したという。蓋を開けてみれば予定していた800人の2倍近い1500人の早期退職者が殺到したという。

 

このリストラを理解するにはコンビニ業界全体を把握する必要があります。コンビニ業界というのはこれまで右肩上がりの成長を続けてきました。

 

しかし、2017年辺りから横ばいの収益になっています。

 

ちなみにファミリーマートは500億円の黒字企業です。

 

コンビニ業界の縮図は20年位前は色々ありましたが、吸収合併されたりで3社が90%のシェアを持っています。

現在全国55,000店舗程度あり

 

セブンイレブン 36%
ファミリーマート28%
ローソン 25%


 

このように3社による熾烈な攻防が展開されているわけですが、コンビニ店舗数は2017年から頭打ちになっていて飽和状態にあると言われています。ピークを過ぎまさにこれから衰退をたどろうとしていると言えます。

 

リストラをする企業は変わりつつある

 

 

過去に大規模リストラを行った企業はほとんどが倒産寸前の赤字だった。しかし、最近はこの傾向が変わってきています。

 

現在黒字経営でも先を見据えて元気なうちに手を打っておこうとリストラを行う会社が増えていると言います。

 

つまり、現在ピークを迎えて伸び悩みの傾向が見えているのなら先行きは衰退なので早いうちにリストラして身軽にしておこうというのが、この早期退職者を募集する理由です。

 

コンビニ業界は厳しい競争を強いられています

 

コンビニと言えば24時間365日やってる便利なストアということは誰もが認知しているところです。お腹が空けば弁当を買えば良いし、雑誌を読みたいと思えば買いに行けます。ATMでお金を引き出す事も出来ますし、荷物も送る事が出来ます。

 

そんな当たり前のようにあるコンビニですが、最近ではドラッグストアーなどによって熾烈な競争が行われているようです。

 

コンビニとドラッグストアーはカテゴリーは一見違うように感じますが、被っている部分は多いです。

 

いまやドラッグストアーは薬はもちろん化粧品からお菓子、冷凍食品や飲料まで揃っています。しかも、コンビニよりも店舗スペースが広いので品揃えも豊富です。冷凍食品にしてもお菓子にしても多くの種類を販売することが出来ます。

 

しかも、見過ごす事が出来ないのが価格の問題です。コンビニはほとんどの商品が定価で売られているのに対してドラッグストアーではスーパーと同じような価格で販売しています。ものによってはスーパーより安いです。

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このドラッグストアーの進出によってコンビニは厳しい戦いになっています。ドラッグストアーになくてコンビニで扱っているのは公共料金の支払いやATM位なもので価格でも品揃えでも敵わない訳です。

 

しかもこういった業務は付帯業務なのでこれがメインではないですからね。

 

会社に尽くしてもリストラされる時代です

 

終身雇用制の崩壊はすでに始まっている事は周知の事実です。戦後右肩上がりの経済成長していた時代とはそもそも違うという認識が必要です。会社に一生懸命尽くしても捨てられる時代なのです。

 

会社の寿命もどんどん短くなっていますし、大企業といっても長く勝ち続けるのが難しくなっています。終身雇用出来るほど安定していませんし企業体力がないのです。

 

会社にとって一番大きいのは人件費の負担です

会社にとって負担が大きいのは人件費です。ですから人件費を削る事で出費を抑える事が出来ます。だからリストラを行うわけです。これから厳しい状況になると予測出来れば大規模なリストラを決行します。

 

しかし、日本において正社員というのは法律で守られていますので簡単にはクビには出来ません。ですので、社員が自主的に退職するような施策が今回のようなファミリーマートの早期退職者を募集ということになります。

 

今回はファミリーマートの早期退職の募集は予想を上回る社員が殺到したという事ですが、経営陣だけでなく、会社やコンビニ業界の先行きを不安視した社員が早期退職を願い出たということでしょうね。

 

予想を上回る退職者に対し経営陣は「忠誠心が足りない」と言っていたとか。。

 

いやいや、募集したのはあんたたちでしょ?

 

と言いたくなりますが、まぁ勝手なものです。

 

500億円の黒字会社がこのような状況なので今後は早期退職者のニュースは増えるかもしれませんね。

 

サラリーマンは会社というものの認識を考え直した方が良い機会

 

親の世代であれば1つの会社に勤めあげるという事が価値観であったし正解な身の振り方と言えたでしょう。毎年昇給がありポーナスも年2回しっかり貰え退職金もある。終身雇用制というのはこの時代だから出来ました。

 

しかし、現在は時代の流れが目まぐるしく、大きい会社でも勝ち続ける事は難しい時代です。それに会社自体が窮地をしのいだとしてもサラリーマンである自分はリストラが降り掛かってくる。そんな時代なのです。

 

昔の価値観で生きていたらあっという間に取り残されるサバイバル時代に突入したと言えます。