- 投稿 2019/10/28 更新
- 経済
SNSなどでまことしやかにささやかれていますが、実際のところどうなのでしょうか?
この考え方の発端は企業が稼いだ多くのお金を法人税で持ってかれてしまうので、法人税や所得税の安い海外に移住してしまおう。という考えのようです。
2014年の海外事業活動基本調査というデータによれば
ここでは海外進出を決定した理由がわかります。
「現地の製品需要が旺盛である又は今後の需要が見込まれる」が67.5%
「納入先を含め他の日系企業の進出実績がある」が32.9%
「進出先近隣三国で製品需要が旺盛」又は今後の拡大が見込まれるが28.3%
※この統計は複数回答OKのデータである
では、本題である海外進出するにあたって「税金が安くなる」という理由だった人や企業は全体の何%なのか?
「8.7%である」
海外進出の主な理由は日本に行き詰まりを感じていて、今の日本に投資をしても意味がない。よりモノを売りたい、より大きなマーケットに投資がしたい。という事が根本的にある。
日本では少子化の波が押し寄せなんの対策もなされていない。こんな希望のない状況なので投資先としては旨味がないばかりか損しかねないと…。それだったら勢いがある海外で投資したほうが可能性があるというのが多くの理由という事です。
自社製品を沢山売りたい事が一番の理由で、より勢いがある場所で売りたいと考えているということですので、まともな経営者ならば税金が高いからといって「じゃあ海外に行こう!」とはならないだろう。
ですので、「法人税を上げたらみんな海外に逃げてしまう」というのはまったくのデタラメで単なる噂ということになります。
実際には大企業ならば全ての経費の内訳で、法人税に掛かる負担は1%程度と言われています。
仮に法人税が倍になったからといっても2%です。他の支出の大きさに比べれば法人税に掛かる負担は少ないです。
経営者ならば、利益や経費やなど全体を見て、あらゆるリスクを考えて決めないといけないので税率が上がるから海外に進出という事は、ほぼないと言えます。
また、安易な海外進出は多くのリスクを伴います。新たに莫大な設備投資を行う必要がありますし、一から人材発掘や育成、言語の問題、相手国の治安や状況にも左右されます。
また、相手国と日本の関係が悪化すれば事業拡大どころか事業活動自体が出来なくなるかもしれません。そういったリスクを踏まえると、税金が高いからと言って海外に出ていくという事は考えにくい。
需要の拡大が日本を救う
大企業が日本から出ていくという事があるとすれば、本質は法人税が上がるという事が理由ではなく、単純に日本の消費が冷えきっていて物が売れないからより元気のある消費の活発な国で投資したいというのが一番のようです。
日本の消費が冷え込んでいる理由として長く続くデフレが原因と言われています。物の価値が下がり続ければ利益が薄く、中小零細企業は厳しい戦いを強いられます。利益が出ていないのですから従業員にも満足な給料を払うことが出来ませんし、薄給では人も集まりません。人が集まらなければ中小零細企業が拡大することは難しくなりますし、
日本がこれほどまでにデフレに陥った原因は消費税増税に他ならないだろう
本気で日本がデフレを脱却するには需要を拡大させるしかない。景気が上向きであれば消費税増税も効果があると言われるが、景気が下がっている時に消費税増税は消費が冷え込み、ますますデフレを加速させてしまう。
消費税を10%に増税するとサラリーマンの所得の約1ヶ月分が消費税で持ってかれる計算になります。消費税(0%)ならば1ヶ月分の余裕があれば買いたいものを買うことも出来る。食べたいものを食べられる。消費を促すことが出来るわけです。
デフレ脱却の鍵を握る消費税減税
日本のようにデフレスパイラルに陥ってるときに消費税増税するとどうなるでしょうか?
消費が冷え込みますます
日本ではすでに消費は冷え込んでいますが、それに輪をかけて消費税を8%から10%に引き上げた。政府はさらに消費を落ち込ませるような政策を自ら行っている。
消費が落ち込めば中小零細企業は間違いなく疲弊します。民間人は出来るだけ消費をしないように考えるでしょう。当たり前です、消費すれば消費するほど消費税という余計な税金がかかるので消費を押さえようとするのは当たり前の事です。
消費税増税は一体誰の為にやっているの?
覚えて置かなければいけないのは、消費税が増税されると減税されるものがあります。それは、、
「法人税です!」
大企業だけが潤う政策のために消費税は増税されたも同じことなのです。お金持ちの人がさらに潤うような政策の為に消費税が行われているとしたらいかがでしょうか?
国をデフレから脱却させるには一人一人の勉強不足を認めるべき
消費税が上がって一番困るのは中小零細企業と国民です。デフレに歯止めを掛けるようなことを言っておきながら、実際にはデフレを更に進行させるような事ばかり政府が行っていることは公然の事実であり、それを「知らなかった」で、消費税増税を甘んじて受け入れるのは勉強不足で済まされる問題ではない。
一部の大企業や一部のお金持ちのために消費税増税が行われている事実をまず知るべきですし、中小零細企業が生き生きしてくるような政策を取らなければデフレ脱却は難しいでしょう。
中小零細企業というのは日本全体の99%にもなり、99%の企業が破綻するような政策をが進んで行っている。さらに中小零細企業が壊れるような政策を続ければ国が破綻することを我々国民が理解する必要がある。また、理解したら、それを変えていくようにするしかない。
我々が出来る事は国を崩壊させ子供達の未来を奪うような政策でなく、先の事を考えた経済的に明るい政党に1票を投じることが選挙権を与えられた国民の解決策になるだろう。
それには、政治家のイメージだけで判断することは避けなくてはならない。我々国民がイメージではなく、中身の部分、本質を見抜く力を養わなくてはそれも叶わぬ夢になるでしょう。