解離性人格障害
複数の人格が代わる代わる現れる症状。自分の中に違う人格がいる。ふとしたときに人格が入れ替わり周りを混乱させてしまいます。
例えば、普通に話していたのに突然人格が入れ替わりめちゃくちゃな事を言い出し、受け入れてもらえない事がわかると、泣き叫びだしたりする。顔の表情が大きく変化する特徴がある。
人間は色んな面があるという事とは違うのか?
私達には1つの性格で括る事は出来ない。弱気な面もあればある状況下では強気な部分もあるなど。
普段は温和な性格だが、ある部分の事を言われると、人が変わったように怒りだすなど。2つの対極な部分を例にしましたが、人は1つや2つで表せる事はなく、色々な面を持っています。
しかし、1つの人格が色んな面を持っているという事ではなく、Aという人があるとき、ふとした時にBという人格に入れ替わる。
Aという人格の時には見せなかった表情や言動をBに入れ替わった途端に見せるのが特徴である。
人によっては4人の人格があったり、8人の人格が入り込んでるという人もいる。
不思議なのは2人の人格が4人や5人に増えてしまう場合もある。
1つの人格の中に多面性があるのではなく、1人の中に何人もの人格が入り込んでるので、誰しもある多面性とはまったく違う大変な障害である。あの人は色んな面があるとか、そういうことではない。
解離性人格障害はどのような人格が現れるのか?
あくまでも一例なので、これ以外にも沢山あります。
・起こりっぽく攻撃的な人格
・何をしてもされても我慢する人格
・小学校低学年のような人格
・要領よく対処出来る人格
一例ですが、社会生活を生き抜くにはこういった資質が生かされる場面があることがわかります。
普通の人が突然、解離性人格障害になってしまう
複数の人格が生まれもっての症状というわけではなく、突然解離性人格障害になるという。つまり、誰にでもなるものではありませんが、絶対ならないと言い切れない障害である。
人格の交代は突然起こります
人格が代わると表情が一変します。突然あどけない感じになり小学校低学年の人格に変化したりします。人格の交代を自分でコントロールすることは出来ません。
食事中に交代することもあり、頼んでないものが、テーブルの上に並んでるといったことがあるあはそうです。
また、この障害を持つ人の中には別人格交代中自傷行為を行う場合もあり、軽んじてはいけない障害であるとも言えます。
解離性人格障害の周囲の対応はどうすれば良いのか?
もし、この障害を持つ人と接触しているときに別人格が現れた場合、どうしたら良いのか?最初はあまりの変貌ぶりに驚きどうしていいのか分からなくなってしまうでしょう。
別人格といえど本人が持っている人格であることには変わりはない
解離性人格障害はトラウマからこの障害が出ることが認められています。例え、本人格にない性質に見えても、症状の一部でもありますが、本人の人格の中の一部でもあります。
多重人格障害を認めない方が良いのか?
「演技でやっているんだろう?」と周囲の人が言ったり思ったりするのは、対応としては良くありません。多重人格障害は立派な障害であり、治療が必要です。本人が治療しようと思う事が重要です。ですので、結果的に治療から遠ざけてしまう
事になりますのでやめましょう。
スポンサーリンク
各人格の存在を消すことが治療になるのか?
症状でもあり、本人が持っている人格でもあるということは述べましたが、すべの人格は存在する意味はあると認める必要があります。別人格をないものにする事は治療を遅らせるだけです。
多重人格障害の別人格はなぜ出てくるのか
別人格が登場することで、なんとかストレスから回避しようとして出てきている。つまり、本人格で対処できないストレスを替わりに別人格が処理するという事が考えられます。
本人格→自分の人格
別人格→協力者
という関係性が見えてきます。
解離性人格障害の人にやってはいけないこと
別人格は意義があり、ストレスに対処するために現れる。別人格が現れた時に別人格に詳しく質問する事は避ける。別人格をそれぞれ具体化し強く認識させるような質問は避ける。別人格が話してもいない内容をあれこれ質問しては良くないです。別人格を形成するということは避けましょう。
・今、どういう気持ち?
・何歳?
・趣味は?
どういった対応が適切か
周囲の人の対応として、理解して聞いてあげることが重要です。「別人格が現れたな」と理解し、別人格が話す事を聞いてあげるだけで良いです。話す場合は別人格も聞いていると思って話すことが重要です。
トーキングスルーが効果的
人格をそれぞれに語りかけるのではなく、全ての別人格を統一した人格として扱う。これをトーキングスルーと言います。
「全員に聞いてほしいんだけど」
全人格に対して話しかける方法
別人格とは本人格ではどうにもならなかったストレスを処理する為に現れた協力者でありますから、本人格の為に協力を求める形で話しかける。
別人格も含めて労い、本人格を助ける為に今まで頑張ってきたこと、色んな役割を果たして状況を乗り切ってきたこと。それらの存在意義を認める。
しかし、自傷行為は絶対に認めない事が重要です。
協力者として別人格が登場した訳ですから、治療の際にも、別人格に本人格の為に協力してもらうというスタンスが有効である。
自傷行為するなど本人に害がある危険な人格の場合、消えてもらうのではなく、活動を停止してもらう。本人の為に。
かつては催眠療法に頼っていた
現在は行われていませんが、多重人格は本人の暗示によって発症すると信じられていました。
現在では、どのような治療をするのか
解離性人格障害は治せる障害です。しかし、短期では不可能です。長期で段階を踏んで治療する事が大切です。初期、中期、後期に分けて各段階に応じた適切な治療をするのが一般的です。
まとめ
多重人格障害(解離性人格障害)は本人のストレスに対処する為に登場したと認識する事が重要です。霊的な現象でも取り憑かれた訳でもない。
本人、周囲が正しい認識が必要です。やはり、専門医に相談しながら治療していくのが最善だと思います。