妄想性パーソナリティー障害の原因と接し方

人格形成の過程で、偏りが強く猜疑心が強く、疑り深さや被害妄想、嫉妬心が異常に強い性質が特徴です。

 

統合失調症の妄想と似ていますが、こちらの場合遺伝的要素があります。妄想性パーソナリティー障害の場合、成長過程で性格の偏りが強く表れます。

 

しかし、妄想性パーソナリティー障害の場合、心理的な偏りで疑い深くなっていますので、粘り強くカウンセリングする事で改善されたり、症状が軽くなると言われています。

 

妄想性パーソナリティー障害は恋愛関係で強く現れます

 

例えば、彼氏が浮気したわけでも発覚してもいないのに、「浮気している」と妄想で決めつけてしまう。理由もなく人を疑い始めるところがあります。

彼氏が異性と普通に話をしただけで、怪しいと考え、激しく嫉妬するので、恋愛が長続きしない傾向にあります。

 

多少の焼きもちは可愛いと感じる人は多いものですが、この障害の人は度が過ぎてますので恋愛関係にヒビが入る恐れがあります。

 

元々、心配性という事が影響していますが、根拠もないのに疑われるのは、誰もいい気分になる人はいません。

 

強い被害者意識という特徴がありますが、脳の中ではネガティブな妄想が常に駆け巡ってる状態なので、周りも迷惑なのですが、本人も辛いということになります。

 

自分は常に被害者であって、周りの策略によって苦しめられている。このような考えが根本にあるため、なかなか人を信じるという事が出来ません。

このような性格でありますので、対等な男女関係、友人関係がなかなか構築しにくいでしょう。

 

人間が社会生活をスムーズに送っていくには、心配する事が必要な時もあります。時には慎重に物事や人を判断する事で、おかしな事や怪しげな人間関係を回避する事にもなります。しかし、圧倒的にネガティブに偏ったこの性質は、味方である人まで不要な疑いを掛けることになります。

 

心配しすぎると世の中は生きにくい

 

何事も過ぎるとプラス面もマイナスになってしまいます。世の中はポジティブに考えた方が生きやすかったりします。心配事というのは尽きないものですから、そこに意識を引っ張られると延々にネガティブ思考の無限ループにはまりこみます。

 

ループにはまりこむと、どう頑張っても、ポジティブな発想が出来なくなりますし、楽観的な選択肢すら消えてなくなります。

 

この障害の人とどう付き合えば良いのか

自分の中で派生させた妄想に付き合う必要はまったくありませんし、あらぬ疑いを掛けられたら気分を損なうでしょう。マイナス思考に囚われて凝り固まっていますので周囲の人も対処に困ることも多いです。冷たい対応のように思うかもしれませんが距離を置くのが1番です。

 

なぜなら、ネガティブな思考で凝り固まった脳をほぐす必要があるからです。

そして、その思考に行き着いたトラウマ(原因)を探る過程が必要になります。

専門のカウンセリングでないとなかなか改善するのは難しいでしょう。

 

この気質の人と話をする機会があったなら、静かに聞いてあげるだけでいいです。

「そんなの妄想だよ」「実際に見たわけじゃないでしょ」

など、一言で片付けたり、否定しないようにしましょう。

症状が悪化したり、いらぬ恨みを買う可能性があるからです。

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自分の心配が世の中のすべて

非常に視野が狭いのが妄想性パーソナリティー障害の性質ですが、色んな角度から総合的に判断するという事がこの人の最も苦手になる部分です。感情や考え方などの
セルフコントロールが一切出来ません。

 

この気質の人は一度妄想に取りつかれてしまうと、考えが凝り固まってしまい、他人が何を言っても考えを改める事はないでしょう。そういった意味では柔軟性に乏しいです。

 

完璧主義が及ぼす性格への影響

 

この気質の人はほぼ例外なく完璧主義です。完璧を目指すとなると世の中すべてが心配事になります。

 

完璧な男女関係
完璧な仕事の進み具合
完璧な友人関係
完璧な経済状況
完璧な仕事仲間
完璧なスケジュール
完璧な睡眠

 

意識しているかしてないかは別として、このような完璧を本気で考えています。

普通に考えれば無理があるのは分かりますが、完璧主義の人は分かりません。又は、頭では不可能とわかっていてもそれを願わないといられないのです

普通の人はこんな目標をまず立てませんし、そもそも友人関係の完璧ってなんだ?と思うでしょう。しかし、完璧主義の人はこれらの事を強迫的に求めています。

 

このような0か100、白か黒というような極端な性質は、いずれは病んでいきます。気持ちや感情に柔軟性がなく、凝り固まっている。これは、どのパーソナリティー障害にも共通しています。

 

完璧主義というのは、聞こえは良いですが精神的疾患の元凶とも言える性質です。人間関係など動かしようのないのないもに完璧を求め頭を抱えている。

 

うつ病疾患の方も完璧主義ですが、自分の内側にエネルギーが向かっていくものですが、この妄想性パーソナリティー障害の場合、自分を被害者に設定して、周りの人のせいにしてしまう。

 

完璧にしたいのに、出来ないのは他人が原因

 

ある意味、自分の都合の良いように妄想して人のせいにしているだけとも言えます。

 

この障害を治すには何をすれば良いのか

 

 

生きてきた過程で凝り固まってしまった、考え方の凝りを解すことが必須ですが、まず、生きてきた中で必ずどこかに原因がありますので、それを特定する事から始める必要があります。

 

自然な信頼関係が出来にくい

普通の友人関係のように、対等かつ建設的な信頼関係を築く事が難しいです。こういった関係はお互いに信頼しないと成立しませんので。

 

人にも辛くあたるが、本人も辛い

周りにも精神的な苦痛を与えるが、ネガティブな妄想から抜け出せずに、もがいている状態が続いてますので、本人も辛いでしょう。

 

物事を捉える感じ方がズレている

 

 

普通の人でもそれぞれ感じ方は違いますが、パーソナリティー障害の方は非常に偏った考え方を持っており、大きくズレています。

 

「なんでそんなひねくれた感じ方をするのか?」

「考え方がおかしい」

 

普通の人がこの障害を持つ人と話すと感じ方の違いに驚かされるでしょう。

考え方や捉え方がまったく違うので、お互いの考え方を理解する事が難しいです。

それはそれで個性とも言えますが、この障害は周りにも迷惑を掛けますし、本人も辛いので時間を掛けて治していった方が良いでしょう。