演技性パーソナリティー障害とは病的な虚言癖が特徴です。自己愛性パーソナリティー障害と似ている部分がありますが、微妙に違います。それは後述させて頂きますが、まずは演技性パーソナリティー障害とはどういいうもので、また、周囲の人が注意しなければいけない事とは何なのか?見ていきましょう。
演技性パーソナリティー障害の特徴

・自分が常に話の中心にいないと気がすまない
嘘までついて注目を浴びようとする。また、騒動に発展することがある。
・突発的な誘惑行動をする
主に性的な意味で挑発的である。客観的に見れば不適切でその場の感情で行動している。
・感情の起伏が激しいが、浅く不安定である・他人との距離感がつかめない
初対面でも馴れ馴れしく、親友と話しているようである・何か芝居がかっている
業績があるわけでもないのに、あたかも、あるように振る舞う。
注目を浴びる為の作り話が多い為に深く聞くとつじつまが合わなかったり、周囲に混乱や揉め事が発生したりする。
目的がわからない嘘が多く、いったいこの人は何のためにこんな嘘を付いたのかわからない。演技性パーソナリティー障害はこのような特徴があります。
注目を浴びたいという欲求がすべての根元ですが、なんでそんな嘘を付くのか、周囲からすればワケわからなく、疲れてしまうわけです。
最初のイメージは好印象である場合が多い
演技性パーソナリティー障害の人は社交性があり、言っていることは比較的まともな話をするので、最初のイメージは良い場合が多いです。しかし、少し経ってくると話の整合性が取れなくなったり、つじつまが合わないことが増えてきます。
演技性パーソナリティー障害の大きな問題点

自分を目立たせる為の嘘を付くという事ですが、人と人を対峙させて仲介役を買って出るなど、人を操作する面があります。
これが、一番厄介なのですが、その嘘が後々他人に迷惑をかけることや、自分にどう跳ね返って来るのかまでは考えていません。
常に自分が注目を浴びる存在でなければならないと思っています。なので、大きな嘘を付くタイミングは誰かが注目を浴びた時、又は自分以外の誰かが注目を浴びそうな時、不安に思った時に自分に再び注目が浴びるような嘘を付く。
嘘の特徴としては、自分以外の誰かが注目をされた事以上の内容の嘘を付きます。
自分の発言に責任を持ちません
自分が嘘を付いたことも覚えていませんし、その発言の責任をとることも、謝る事もないでしょう。周囲からすればこれ程迷惑な事はないでしょう。
演技性パーソナリティー障害の人の見分け方
・嘘を付くタイミング
・まったく中身がない話をする
・演技のような話し方をする
・話に一貫性がない
・自分に暗示をかけたような話し方
・自分の非は認めない
・すぐにバレる嘘のオンパレード
・考え方や感情に柔軟性がない
・一緒にいると疲れる
・人の感情や考え方には無関心
考え方や感情に柔軟性がないということは、物事を違う角度から見るとか、融通を利かすとか、違う考え方を取り入れるなどといった柔軟性が乏しい。独自の強いこだわりであったり、意固地な面があるので、それが周りを疲れさせる。
どのように対応すれば良いのか?
該当するものが多い場合、パーソナリティー障害の可能性が高いです。うかつに近付くと被害を被る場合があるので、一定の距離感を持つことが大事です。演技性が強く、内容のない話が多いので、周囲が親近感を持つことはないでしょう。
・距離感を持つ
・警戒心を持って接する
・長所は認める
(社交性があるなど)
「あれ?この人何かおかしいな」
「この人は言ってる事とやっている事がちがうな」
「この人なんか信用できないな」
このように感じる事が増えていきます。
感情の共有が出来ない
一時期に惹き付ける事は出来ても、相手の感情や思考については無関心なので、信頼関係を構築することが出来ない。
結局、何が目的の嘘や芝居かわからないので、この人に対して、何とも言い様のない気持ち悪さを感じるようになるでしょう。
第一印象だけで信用すると巻き込まれます

いたずらに不信感を抱かせる言動が多くなるなど、人を巻き込む嘘をつきますので、被害を未然に防ぐ為にすぐに信用しないように注意しましょう。
出会った瞬間は好印象だが徐々に…
初めは印象が良い場合が多いです。異性の出会いでも、会った
瞬間に人を惹き付ける才能のようなものを持っています。
「つかみはOK」といったところ
しかし、付き合いが長くなるにつれて徐々に良い印象がどんどん下がってきます。原因は本人にあるのですが、付き合えば付き合う程右肩下がりになります。
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演技性パーソナリティー障害の人となり

社交性があるのは長所ですが、話す内容も特徴があります。
ひとことで言えば
「キャッチーだけど中身がない」
周囲を自分に注目させたいだけの話なので、深く掘り下げて聞けば内容がないことや、その事に深く関わってないことはすぐに分かります。話のオチがあるわけでもなく、面白い話でもないので周囲は疲れます。
この障害を持つ人は話だけでなく服装もキャッチーです。
例えば、場所や目的を問わず露出の多い服装であったり、周囲から見れば滑稽な程、注目を浴びる為には、なりふり構わないという特徴があります。
今流行りであったり、旬な内容に影響を受けやすいため、本人が話をしているのですが、本当に本人の事なのか?と疑いたくなるほど、一貫性がまったくないです。
演技性パーソナリティー障害は努力をしない

人に注目を浴びたいのであれば、そうなるように努力する、勉強するなどの行動をするのが普通ですが、演技性パーソナリティー障害の方は極めて簡単に注目を浴びる方法を選択します。
努力しないで、さもなったように演技する
このような、嘘の演技が後々自分にマイナスになることを考えないのが演技性パーソナリティー障害の特徴ですが、
「自分に注目を浴びなければならない」
「自分が1番でなければならない」
このような事を強迫的に思い込んでいます。
普通に考えれば努力をしなければ認められないのですが、努力には苦痛が伴うので、演技をしてなりきる事で目的を果たそうとする。そこには何の苦労もしないですし、時間も掛からない。そこに自分の満足を満たそうとする。
そのうちオオカミ少年のような扱いになる

演技性パーソナリティー障害の方の残念な部分は、周りに散々嘘を付いて振り回してしまうので、そのうち気が付きます。
「また、始まったよ」
「どうせ、嘘なんでしょ」
この人がどんなに真面目な話をしていても、周囲はまともに聞いてくれなくなります。
努力もせずに、周囲を振り回した、いわば自業自得ですが、この障害は周りへの攻撃性が強い厄介である事が多いです。
自己愛性パーソナリティー障害の違い
どちらも、目標を定めた具体的で継続的な努力が非常に苦手ですが、うわべだけ取り繕う努力はします。そこは共通しています。
しかし、自分には注目されるに値する人間と過大評価している自己愛性パーソナリティー障害とは違い、注目を浴びる為には自分のあらゆるものを使って他人を惹き付けようとします。
人の注目に対してより貪欲、依存性が強いのが演技性パーソナリティーにという事になります。
演技性パーソナリティー障害を治すには
気付きが遅くなりがちな障害です。散々周りに虚言癖を披露し、オオカミ少年のような扱いを受けて、誰もまともに相手をしてくれなくなってから気付く場合が多いでしょう。
演技性パーソナリティー障害というのは、満たされない心をどう処理していくかがテーマになります。
この障害は深く考えることが苦手なタイプが多いのですが、自分の本質に向き合わない限り改善しないでしょう。
どの障害にも通じるものですが、ありのままの自分を本人が受け入れていません。自分を受け入れていないから自信が付かないのです。
ありのままの自分を受け入れる事さえ出来れば、どの障害も改善に向かいます。
自分を受け入れてないから、他人の称賛や注目が必要になってくるのです。
演技性パーソナリティー障害の人は漠然とした不安を抱えている。ありのままの自分に自信がないのです。
ありのままの自分に自信があったら嘘や演技までして注目を浴びようとはしないでしょう。

嘘や演技によって、その場限りの注目がこの障害を持つ人の最優先事項になっています。
その事によって周囲の人は振り回され、誰も耳を傾ける人はいなくなります。
人は騙せても、自分自身は騙せません。嘘を付いてる事も演技している事も全部自分では分かっています。
こうすることによって更に不安になり、自信を失います。その不安がまた、注目を浴びる事で満足感を得ようとします。この一連の流れが嘘や演技の無限ループを生みます。
自分がいかに愚かな事をしているのか、ここに気が付かないとこの障害を治すことは難しいでしょう。
一度、冷静に自問自答する必要があります。
周囲の人を、嘘と演技で振り回し、被害を与える非常に迷惑な障害ですが、最終的には必ず自分に跳ね返ってきます。
自分の内側に向かうより、外に向かっていく障害ですが、実は心の病だと言う事を頭に入れておきましょう。