集団で行動すると自分の考え方を持たなくなる

集団の心理というものがあります。人は群れていると自分の意見というものがなくなります。

「そんなことはない」

と思いますが、無意識のうちに自分の思考を停止してしまう理由があるようです。

 

集団生活に慣れると思考停止状態になる

 

 

人は群れている時どういう心理状態になるのでしょうか?何か守られているような感覚を覚えますし、一人の時には感じなかった力強さがあるでしょう。

 

しかし、いつも群れて行動するとマイナス面があります。


 

集団になれば考え方や意思決定は自分自身でなく影響力のある人物に合わせようとする力が働きます。個人が自由に考えて行動していては集団はまとまりません。

 

各一人一人が考えているように思い込んでいるだけで中心的人物の影響力を受けながら自由に動いています。それが集団の心理です。

 

仲間に嫌われてしまうのを恐れてしまう心理が無意識に働きます。また、仲良くしようとする意識もあり思いやりからですが、力の強い人やリーダー格の人に融合する事になるでしょう。それが集団が継続すると知っているからです。

 

集団のマイナス面が強くなると一人では絶対にしない行動をする

 

 

集団的な犯罪など一人ではやらないような事も集団になるとやってしまう事があります。集団の中にいると何かに守られているような感覚になったり強くなったような心理が働き暴走する傾向にあります。

 

一人の時には善悪の判断や行動に対する責任を感じますが、これが集団になると薄れる傾向にあります。一人では責任取れないが集団になると責任が分散されて急に気が大きくなる人がいます。

 

集団には集団特有の空気感があります。特に何か言わなくても従わなくてはならない雰囲気だったり、意見を言いづらい雰囲気であったりします。これは何も言っていないわけですから集団に入った人が勝手に感じ取ってしまうあの空気の事を差します。

 

今、社会問題になっているいじめなども集団の持つ空気が作用されている場合が少なくありません。

 

不思議なものですがこの集団内の空気は強力です。この空気を個人で反発するには相当な力と勇気が必要になります。

 

この空気感はリーダー格や影響力の強い人物が無意識に発しているものですが、その思考が一人一人に伝染しているからです。言い方を変えれば念のようなものが伝染していると考えられます。

 

リーダー格の人間以外の人は思考停止になる

 

 

一人一人の個人が、集団として成り立つには考え方や方向性を決断したりまとめたりするリーダーという存在が必要になります。

 

戦国時代から現在まで成果をあげるには強力なリーダーがいます。基本的に人は考え方も違えば育った環境も異なるでしょう。その個性ある各個人が集団として機能するときにはリーダーや影響力の思考に従う必要があります。

 

そうでなければ一人一人テンデンバラバラの行動をしますのでまとまりません。

 

この集団の空気感に乗っかれば心理的には楽です。それぞれ空気に乗っかっていますので空気さえ読めば自分で考える必要がなくなります。

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自分で全て考え行動するのを面倒くさいと思う人やさみしがり屋の人は群れることを好むでしょう。

 

この思考停止が染み付くと一人では何も出来ない人間になる可能性が出てきます。また、このタイプは付き合う人間によって人生の方向性が変わるので注意が必要です。

 

このタイプは他人に影響されやすく、集団のタイプによってカメレオンのように変化しますので、数年後には別人のようになってしまう可能性があります。良い方向に向かえば才能を開花しますが、転落も早い傾向にあります。

 

非常に怖い集団心理

 

 

ある偏った思考を持った影響力のある人物が現れると集団は歪んでいきます。特にある時は恐怖を与え、またある時はアメを与えるような心得を持った人物がリーダーになった場合、あっという間に狂気の集団に変貌します。平成を震撼させた宗教団体が起こした凶悪事件なども集団心理が最悪の形で出た典型でしょう。

 

人は群れているとグループの常識で生きている

集団特有の色に染まってしまい、世の中の常識からかけ離れグループの常識で生きてしまいます。グループ内みんながやっているから正しい事に思えてしまいます。

 

グループでいると影響力のある人の性格に染まっていく

人は群れていると集団のリーダーや発言力のある人間に染まっていく傾向にあります。それは徐々になので気付かないうちに染まっていきます。考え方や立ち振舞い、性格まで影響を受けます。

 

影響力のあるリーダーが陰険ならグループ全体が性悪に

これは群れているグループによって色合いが面白いほど変化します。明るい人がリーダーならグループも明るくなりますし、性格が悪い人がリーダーになればグループの一人一人の性格も悪くなる傾向があります。

 

上が替われば業績も変わる

 

 

先生が替わると生徒のやる気も変わった経験がないでしょうか?なぜか、あの先生が担任になってから成績が上がった、逆に下がったなど自分よりも立場が上の人の影響力は強いです。

 

社会に出てからも上司が替わったら前向きに仕事をする人が増えて業績が上がった。逆にやる気がなくなったなど、リーダーの影響力は強いです。

 

最高権力者である社長にしてもそうです。あの社長になってから士気が上がって傾きかけた会社が生き返ったりしますし、リーダーは命運をわける存在といっても過言ではありません。

 

だからこそ不振が続けば社長は交代しますし、プロ野球の世界であっても監督で成績も変わるものです。

 

もちろん、采配や能力によるものもありますが、それよりも全体の力を発揮させる影響力の方が大きかったりします。

 

 

悪い人と友達になると親が「うちの子も悪くなるのではないか…」と心配します。親は子供よりは人生経験が長く今まで生きてきた中での経験から付き合う事で少なからず影響される事を知っているからです。

 

人は「類は友を呼ぶ」と言われる通り似たようなタイプと仲良くなりやすいものです。付き合ううちに雰囲気まで似てくるから不思議なものです。少なからず人は他人に影響を受ける生き物といえましょう。